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越後国 小泉荘・奥山荘    

越後国 小泉荘・奥山荘の中世遺構(新潟県)を訪ねて 〜

小泉荘について: 小泉荘は、鳥羽金剛心院領として1153年に成立した郡規模の大荘園。岩船潟という大潟湖を擁し、その周囲に多くの市町(市場と宿・町がセットに成った都市的な場)が設けられた日本海交通の要衝。小泉荘は、小泉本荘と加納に分かれており、院政期は越後城氏の勢力圏。城氏の没落後、武蔵国秩父一族が地頭として入部し、本荘は嫡流の小泉氏(のち本荘氏)、加納方は色部氏の所領となった。鎌倉末期には、小泉本荘が鎌倉幕府の直轄領となり、そのなかに出羽の蝦夷統括を行う有力御家人安達氏の領地が設定されていた。これらの事態は、安達氏が出羽で蝦夷の蜂起を鎮圧する上での後方支援基地形成の可能性が高い。

荘園とは……

「下級貴族(主に武官)が在地に赴き、一族や在地の有力者たちをまとめあげ、勢力を張るといったものである。彼らは、武力をもって騒乱を鎮める役目を帯びていることが多かったので軍事貴族とよばれ、兵(つわもの)の家系がつくられていった。そして、多くの土地を開拓していったが、そうすると黙っていないのが、中央で定期的に任命される国司や国府で権力を握る在庁官人とよばれた人々だった。彼らは、田畑に税金をかけ、私服をこらすことを第一義に考えていたから、新たに開かれた土地からも税金を取ろうとする。すると、在地の有力者たちは、国司の上官にあたる、より高位の貴族に土地を寄進して、上納品を納める代わりに国司らの干渉を排除するように願う。それと中央の貴族の思惑が一致したときに、その献上した土地が荘園として成立した。もちろん国司の側について、甘い汁を吸おうという人々も多く、国有地がなくなったわけではない。
                                    訪れた順に説明していきます。

市場と道・川・武士の館、神社

 写真をクリックすると大きくなります。      アンダーラインのある青または紫色の文字をクリックすると詳細が見られます。

村上城跡

標高135bの臥牛山にある。

 

村上城跡の案内板

秀吉の時代まで石垣のない城であった。

石垣(同じ場所でも積み上げ方が違う)

打ち込め剥ぎ(石と石の間に小石で調整)…古い時代

切り込み剥ぎ(きれいに石を削って積み上げる)…新しい

いたる所に枡形門(L字型)

敵を側面攻撃できる。

天守閣からの眺め三面川、日本海が見える。

村上市街とは逆の方に、中世の遺構が多く残る。

帯曲輪

次は若林家住宅だ!

竪堀

5bほど。敵が斜面に広がって城を攻めようとするのを防ぐ。囲めなくする。

 

若林家住宅

江戸中期から明治期まで、村上藩、中級上位の藩士の家。 150石給されていた。

若林家のある年の家禄は、92表であり、今のお金で換算すると、1000〜1200万円くらい。(1石=約1両=約30〜40万円)
次は天神岡大館遺跡だ!
若林家住宅(街中)付近から見た、村上城      

本庄氏の館跡(天神岡大館遺跡)鎌倉〜室町期。

 

土塁(室町以降、盤築土塁 …土をたたいて作る。

館近くにあった、看板。
「大館」の文字が見える。ただの館ではなく、「大館」。室町時代、本庄繁長の館だったであろう。

  遠くに見える「館」。       周りより1b程高くなっている。   館のすぐそばを流れている川 70pもあれば、河川交通できる。   「館」の近くにある白山神社  北陸との結び付きがあると考えられる。 

本庄氏の館の数百b向こうに四日市八坂神社が市神。八坂神社は比叡山延暦寺の支配下にあり、神の威力を利用し、金融業を営んでいた。

中世の「館」の立地条件

近くに川・街道・神社・寺・町場  商工業の中心 人が集まる。農業開発の中心 総合商社の出張所
地名、板石塔婆、文書から中世領主館に結びつく。

小泉荘……商業・流通で利潤をあげる。ランドマークは石船神社。昔、岩船潟は6q奥まで湖であった
岩船宿は良い地区であり、南北朝時代には、様々な武将が陣地にし、戦乱が耐えなかった。戦国時代には、色部氏が入り、民衆を味方に付け統治していった。
岩船潟の入り口         日本海につながっている。  日本海運送のターミナル。  現在岩船潟は、水田になっている。 岩船の守り神、石船(いわふね)神社
 平安時代からの延喜式内社。
本殿(高台にある)
 岩船は重要地であり、国衙領であった。
石船神社からの眺め。
 神社は、日本海交通のランドマークであったに違いない。

岩船宿を通り八日市に入る                  岩船宿は、30〜50件ほど集まっており、日本海を代表するまちであった。      八日市は、南北朝の文献にでてきており、市場を管理する地頭(農業的要素ない)がいた。

岩船宿… 日本海を代表する町である。

岩船宿も八日市も、現在商店が多く立ち並ぶ。(古い建物も多い)

八日市にある宝勝寺
 南北朝時代の板碑がある。   寺も市場の守護神である。色部氏の文書に表れる寺。
宝勝寺の隣にある、弘願寺
 大きな南北朝時代(1337年、永和3年)、国庁クラスの板碑がある。
1337年、永和3年の板碑
 越後独特の形である。
             
小泉荘加納方有明荘 九日市に行った…
 ここも色部氏の館を中心とした、中世のまちの特徴を見てとれる。
  館を中心とした、人的・物的ネットワーク
 @館 A川 B市場 C神社 D寺院
       
九日市のストリートの様子
 現在でも、長く、集落も大きい。
 
市神の白山神社
  福厳寺(神林村) 板碑(阿弥陀三尊種子)
 元応(1319〜20年)の鎌倉末期の板碑。色部では最古のもの。九日市を支配した、領主、色部氏のもの。
  館の内
 色部氏の居館。近くに関根川が流れており、河川交通を行う。


次に平林城(神林村)に行った。平林城…中世小泉荘南部

城入り口の土塁
岩館曲輪跡
 主君と家臣団の家
岩館土塁
 
鍵型通路(堀)跡
 
本丸虎口門跡
  空堀・土塁
 要害山城からの防御のために、土塁が続く。本丸に向かってだんだんと土塁が深くなる。
             
平林城(色部総領家)の近くにある、色部氏の分家、「宿田家」と「牛屋家」を訪ねた…   まず、宿田の館            
次に牛屋の館に行った…    この2つの家は、対照的である。
色部 宿田の館(現在、大智院)  土塁の跡が残る。
 河川交通にアクセスしていない。自前の流通ルートを持っていない。力がないため、総領家と婚姻関係を結び勢力を保つしかない。
      色部 牛屋の館
 荒川の氾濫原、微高地。 近くを流れる荒川の水運を利用。日本海に注いでいる。立地条件良いところ。自前の流通機構を持ち、力があるため、総領家を頼る必要がない。
  牛屋 板碑2基
 1321年、元享元年、鎌倉末期の板碑。145p阿弥陀如来板碑。
             
             
諸上寺
 室町時代からの寺院。門前に三日市をもつ。
 
この寺にある、中世の石仏
 

有明(中世の町人まち)にある、八王子神社
 神社の前、垂直にストリートがあり、商業が発展していた。今も有明地域社会を結びつける場である。

  神社は高台にあり、現在田が広がっているところは、昔、岩船潟という湖であった。交通の要である。


次に、少し南にある奥山荘胎内市、江上館跡を訪ねた。

江上館越後国の国人領主上杉氏の家臣、中条氏の館。館内は60m四方で、土塁・堀を含めると110m四方。

江上館
 鎌倉時代の館と違うのは、防備(堀・版築土塁、意図的に固めてある)である。
 
推定復元模型
  堀・版築土塁の様子      水堀と高い土塁に囲まれている。   橋と門の位置がずれている  敵に対する、側面攻撃のため。発掘によって、橋の広さも復元されている。
堀・版築土塁の様子
 
南門
  赤いタイルは、建物跡     奥が主殿(中条氏が政治を行っていた場所)   主郭南方の晴の空間(政治を行う場所)  北方には生活のための、日常空間がある。
次に資料館に行った…
北門まで水路の跡が続いている  
板蔵
 
北郭
   
江上館からの出土品  貿易陶磁器の量がたいへん多い。日本海交易→中国から博多を経て、小浜、敦賀、更に北へ。
 おびただしい青磁。白磁等の貿易陶磁器、漆器、国産陶器、宴会用の多量の土器などは、ここが奥山荘の中心地「政所条」であったことを物語っている。           
    

江上館の隣にある、資料館

     
青白磁梅瓶
  珠洲壺
 中世において日常的に使われた陶器
天目茶碗
青磁
白磁
板碑と宝きょう印塔

 

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